悩む女性

音を聞く

突発性難聴を発症すると、日頃聞こえている生活音が突然聞こえなくなり、その不具合に驚く人がたくさんいます。音の空間が把握できなくなり、その音がどちらから聞こえているのかわからないので、音の明瞭感も薄れ、精神的な不安が増大します。また、年を取って老人性難聴になると、老化により音の明瞭感が崩れ、少しずつ聞こえにくくなっていきます。突然聞こえなくなったわけではないので、自分の聞こえにくさを実感できない人が大半です。そんな難聴の人に補聴器を装用してもらうと、日頃聞こえていない生活音まで入ってきて、雑音の多さに驚くことがあります。装用者は、こんなにうるさいのは補聴器のせいだと感じたり、自分の耳には補聴器が合わないと勘違いしてしまうことがあります。実は日頃の生活音はこんなに騒がしいものであり、私たちの耳にはそれを使い分けられる性能を持っている素晴らしさを実感することがあります。

健常な耳は、必要な音と不必要な環境音を聞き分けています。周りの音を必要のない音として、意識しないでいられる便利な能力があります。耳鳴りと上手に付き合っている人が行っている方法と似ています。耳鳴りは気にになると脳の中で大きく鳴り続け、精神的苦痛や恐怖感を生み出します。上手に付き合っていくと耳鳴りを意識しないで生活できるようになります。補聴器を装用し始めの高齢者は、雑音に驚き、上手に付き合う前に諦めてしまうことが多くあります。諦めないためには、慣れやすい場所、馴染みやすい音量、音色から始めるとよいでしょう。老人性難聴は全体的に高音が聞きにくくなるため、補聴器から聞こえる甲高い音で頭痛がする人もいます。まずは静かな音に慣れ、徐々に音量を上げていき、常用できるようなじませることがとても大切です。